2018年5月19日

plan-B 定期上映会

「搔き消された「声」に 耳をそばだてること」
お話し/ 細谷修平 (美術・メディア研究/映像作家)

東日本大震災による経験は、わたしたち(少なくともわたし)に、過去を省みることの必要を気づかせ、わたしたちは一層とその営みに意識的になったように思われます。過去の忘れられた出来事に向き合い、それとの衝突によって、集団の想像力が蜂起すること。わたしはそれを信じているようです。
 しかし8年目を迎えた今、資本主義はわたしたちのこうした気づきだけでなく、震災という出来事そのものを「ノスタルジー」として回収・消費し、2020年の東京五輪へと加速の一途を辿っています。国家による国民の歴史はいくらでもつくられるでしょう。それでは、人民による人民の歴史はどうでしょうか。
 今回は、わたしが関心を持って研究に取り組む60年代70年代の政治と藝術の動向、80年代の光州民衆抗争とそれへの呼応などを通して、記録の可能性/不可能性について、みなさんと考える機会になればと思います。

 映像メディアが氾濫し、ことばが軽んじられる現在においてこそ、「山谷」の上映会という「場」で対話と考察を深められればさいわいです。

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