アフタートーク

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SPEAKER
藤野裕子 (『都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年』)
栗原康 (『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』 )
加藤直樹 ( 『九月、東京の路上で  1923年関東大震災ジェノサイドの残響』)

CORDINATOR
平井玄

アンダークラスで上等だ!一一そう開き直るときがきた。「格差問題」とはイカサマの問いである。私たちは哀れんでもらう必要はない。お笑いのネタでもない。まず自分自身のカを肯定したい。ちょうど30年前の1986年の1月、山谷に集まる日雇い労働者たちに信頼されていた山岡強ーさんが大久保の交差点で射殺される。引金を引いたのは、山さんが率いていた日雇いたちの運動に追いつめられた右翼ヤクザの手の者。日雇い労働者たちは今「アンダークラス」と呼ばれはじめた私たちの親の世代である。彼はどう生きたのか、そしてなぜ殺きれたのか? そのことを問う集会が10月8、9日に開かれる。この会はそのアフタートーク、今に引きつける集まりだ。山さんが殺されてから10000日が過ぎた。その間に、彼の最期の地・大久保が朝鮮半島から来た人たちが集まるコリアンタウンとなり、ヘイトと友情がぶつかる街になったのはとても偶然とは思えない。山さんは朝鮮で起きていることにいつも強い思いを抱いていたからだ。彼は「日雇い」に誇りを抱いて生きた。だから山さんの魂はこの胸に生きている。私たちも「アンダークラス上等 !」と、山谷から大久保、初台まで、このタワーの街で大声で言おう。「戦争」は今、すぐそこにある。金がなけりゃ軍隊に入ろう。メシが喰いたけりゃ迷彩服を着よう。国のために死ね。キャバ嬢にセクハラしてなにが悪い。沖縄なんか知ったことか。中国人も朝鮮人も障がい者も野宿者も、役に立たないヤツらを憎み殺せ!一一今日もそんな声がネットに満ちている。だがこの国が何をしてくれた? 時給はダウンするばかり。部屋代は払えるのか。年金はもちろん、健康保険も止められる。あげくはみんな自分の責任だって? そんな仕打ちをされて「死んで花実が咲く」のはゲームとマンガだけだ。下っ端の者たち、つまり私たちの親やその親たちが戦場に放り込まれて、殺し殺されてきた歴史を藤野裕子さんが語る。日の丸背負って「非戦」を叫ぶ長測剛に気に入られた栗原康くんは、何を叫ぶのか? 加藤直樹くんもどうやらその歌が気になっているらしい。長測剛はメチャクチャな矛盾の塊だ。それより私たちこそが爆発しそうなカオスだ。彼の歌が苦手な人たちも、荘厳なオペラが響くこの初台の街で、3人と「アンダークラス」つまり自分たちの過去と未来について語り合いたい。

2016年10月16日(日)15時〜 / 投げ銭(自由意志で)
東京都渋谷区代々木4-29-4 西新宿ミノシマビル2F・会議室
(京王新線初台駅オペラシティ改札口から3分、フリーター全般労組事務所の隣室)

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